SAICORO/WOOD LIST

SAICOROに使われている木の解説をします。

1.イチイ  2.アフリカンパドック  3.カヤ  4.イゾンベ  5.ヨーロピアンメープル  6.コクタン 7.ブラックウォールナット 8.米ケヤキ 9.ブラックチェリー 10.パオロッサ 11.オバンコール 12.ホンジュラスマホガニー 13.マドローネ 14.アオダモ 15.マカンバ 16.ヒノキ 17.アカマツ 18.モッコク 19.アカガシ 20.チーク 21.セン 22.ゼブラウッド 23.アサダ 24.ブナ 25.ナラ 26.ローズウッド 27.ホンシタン 28.シオジ 29.カリン 30.タモ 31.トチ 32.ヒッコリー 33.アサメラ 34.ヤマザクラ 35.米マツ 36.イスノキ 37.ナーラ

Gallery

1.イチイ
一位/Japanese yew

1イチイ

 <色>心材は紅褐色、 辺材は狭く白色。樹齢が古いほど木肌がきれいで色艶がよく良材。経年変化で綺麗なオレンジ色、赤色になる。

<木目>幅は狭くて 均一。

<加工>軽くて粘りがあり、弾力性 がある。刃当たりがよく加工が容易。

<用途>繊細な彫り物に最適。 装飾の凝った家 具に使われ、 粘りがあるので曲げものにも向く。

イチイ科
日本/中国/シベリア
比重:0.51
径:0.75
top

2.アフリカンパドック

African padouk
2アフリカンパドック

<色>染めたような真っ赤な色。日に焼けると暗褐色に変色する。

<木目>環孔材的傾向を示し、生長輪が明瞭で、縦断面では濃淡がやや縞をなす。

<特徴>乾燥に際しては収縮率が小さく、狂いが 少なく、乾燥後の寸法安定性が高い。心材の 耐朽性は大きく、菌・昆虫に冒されにくい。

<用途>座卓、カウンター、ナイフの柄、マリンバなどの打楽器

マメ科
カメルーン/ナイジェリア/コンゴ。
比重:0.80

径:1.5m

top

3.カヤ

ホンカヤ/Japanese torreya
3カヤ

 <色>心材は褐黄色 辺材は黄白色。心辺材の区別はやや不明瞭。樹脂分が多く、経年変化が美しい。しぶい黄金色になる。

<木目>年輪の幅は狭く、波状を呈することが ある。

<加工>やや重硬で、弾力に富む。耐朽・保存性は高く、水温に 耐える。加工は容易。旧来の製法では伐採から製品になるまで10年ほどかかることも。

<用途>碁盤・将棋盤

<その他>独特の匂いがある

イチイ科
日本/朝鮮半島
木理:精
比重:0.53
径:2.0m
top

4.イゾンベ

ヌワキ/Izombe
4イゾンベ

<色> チークに似た雰 囲気だが、チークより明るい。

<木目>チークより細かい

<加工>加工性はよい。 乾燥は困難。一般的には 柾目方向に割れるが、この材は縦、横に割れ やすく、乾燥には注意が必要。

<用途>つきいた仕上げはきれいで、突板材として使われる。

オクナ科
中央アフリカ
木理:粗
比重:0.74
径:1.5m
top

5.ヨーロピアンメープル

ハードメイプル/Hard maple/Sugar maple/Black maple
5ヨーロピアンメープル

<色>心材はクリーム〜淡赤茶色。辺材はほんのりと赤茶色を帯びた白色。

<年輪>はっきりしない散孔材。通常、木理はまっすぐだが、ときおり曲がった波型や鳥眼杢(ちようがんもく)があらわれる。

<加工>材質は硬く、粘りがあり、衝撃に強い。乾燥時の収縮が大き い。塗装性、着色性がよく、表面仕上げも良好。

<用途>家具、壁用パネル、内装材。

カエデ科
北米/ヨーロッパ
木理:精
比重:0.55−70
径:1.0m
top

6.コクタン

黒檀/Ceylon ebony/Bombay ebony
6コクタン

<色>木の中身も皮も真っ黒。油が多く、磨けば磨くほど金属のような光沢を発する。

<木目>散孔材。年輪ははっきりせず、木肌が細かい。重くて硬く、重量感がある。

<加工>切削・加工は困難。

<その他>黒い材ほど高価。成長が遅く、直径が18cmほどになるのに200年もかかる。

カキノキ科
インド/タイ、/ミャンマー/スリランカ
木理:精
比重:1.16
径:0.5m
top

7.ブラックウォールナット

ウォールナット/Walnut
7ブラックウォールナット

<色>色は紫を帯びた灰色、 経年変化に よりタンニンの影響で黒くなる。

<木目>散孔材な いし半環孔材。

<加工>軽いわりに強度と粘りがある。 狂いも少なく、乾燥もしやすい。比 較的軟らかいので加工性がよい。着色性もよい。耐朽性がやや低く、水を含むと腐りやすい。

<その他>150年前後の木でないと白太が多くて歩留りが悪い。白太は腐りやすい。丸太で買う場合、中が空洞だったり、節があったり、石灰を含んでいたりするもの があるので注意が必要。米国産の木材のうちで最も人気のあるもののひとつ。

クルミ科
北米/ヨーロッパ
木理:精
比重:0.59
径:1.0m

8.米ケヤキ

ケヤキ(欅)/ツキ (槻)Japanese zelkova
8ケヤキ

<色>心材は黄褐〜黄色を帯びた紅褐色。辺材は淡黄褐色。心辺材の境界は明瞭。

<木目>環孔材。木目は明瞭で美しい

<加工>強度があり、耐朽性に優れる。重くて硬いが、加工は容易。弾力性があり、曲げにも強い。水漏 れにも強い。乾燥は時間がかかるが難しくない。ただ、乾燥が悪いと反る。

<その他>300年 以上経った古木には、牡丹杢、縮み杢、珠杢などがあらわれるものが多い。

ニレ科
日本/朝鮮半島/台湾/中国
木理:粗
比重:0.69
径:2.7m

9.ブラックチェリー

American black cherry
9ブラックチェリー

<色>辺材は白色で、心材は丸太により大きく異なる。日本に入っている丸太は通常、赤茶色の材が多い。

<木目>散孔材的な環孔材。

<加工>乾燥、加工性、接着性、塗装性、いずれも優れている。ただし加工したときは明るい赤茶色でも、経年変化で濃く変色するので、明るい仕上げのものには適さない。

<特徴>軟らかく、肌目はやや緻密で、光沢もある。辺材に近い所に、やにだまりがある材が多い。

バラ科
北米
木理:精
比重:0.55
径:1.0m

10.パオロッサ

パオローズ/Paorosa
10パオロッサ

<色>辺材は薄い黄色、心材は濃赤~紫色の材の色調の上に、濃厚 な桃茶色の縞が目立つ。時間が経つと色がとんで表情がぽ けてくる。 

<木目>柾目の木目は平行。リップルマーク(波状の縞模様)が現れる。シタンに近く、その代用とし て使われている。

<加工>乾燥には長期を要し、切削はかなり困難。材としては美しいが、うまく扱わ ないと表面に細かい割れが入る。狂いやすく、虫に弱い。樹高は40m、 樹形が 通直でなく、形が悪い。 他の材 は丸太での輸入は無理だが、こ れは丸太で入ってくる。

<用途>紫檀の代用/化粧単板

マメ科
赤道アフリカ
0.94
1.0m
top

11.オバンコール

アマザクェ/Ovangkol
11オバンコール

<色>辺材は黄白色または灰色。 心材は黒褐色または灰褐色で、狭い黒色 の縞をもつものと、銅色の光沢をもつ縞ものがある。 板目面に白色の沈積物やに だまりが見られることがある。明るい木肌 は、時間が経つとくすみが消え、美しくなる。 

<木目>環孔 材的な散孔材。

<用途>乾燥には長時間を要する。 ヨーロッパではローズウ ッドの代用材として人気があるが、日本ではあまり活用されていない。 漂白してからウォールナット色に着色して、 クルミの代用として使う場合もある。

マメ科
西アフリカ(象牙海岸)
木理:やや精
比重:0.80
径:0.9m
top

12.ホンジュラスマホガニー

コバノマホガニー/Honduras mahogany
12ホンジュラスマホガニー

<色>心材は淡褐色~暗褐色をして、黄金の光沢がある。 リボン杢と呼ばれ、 目が交錯し ていて両目になり、 微妙な色調の濃淡が美しい縞模様となってあらわれるものが ある。

<木目>散孔材。

<加工>軽くて硬く、粘りがあって強い。ただし産地によって強度が異なる。湿気にも比較的強い。加工性と耐朽性に優れる。乾燥は比較的早く、狂いが少 なく、寸法の安定性のよさが定評。

<用途>塗装性がよく、 経年変化が美しいので、高級な 家具や装飾用材に用いられる。世界的優良材のひとつ。

センダン科
中南米/アフリカ
木理:粗
比重:0.55
径:1.5m
top

13.マドローネ

マドロナ/Madrone
13マドローネ

<色>薄赤色のきれいな材。

<木目>非常 に細かい

<加工>ひずみが大きく、乾燥が困難。乾燥を急ぐと、ひび割れする。突板に接着剤を使う際、糊の水分だけで膨張するほど膨張率が高い。

<用途>家具材として優秀だが、ほとんど輸入されていない。根に近い部分の杢 が美しく、珍重され、この部分は市場に出回っている。

<その他>樹高30mに達する大径木で、枝陰に1000人ほどの人間がおさまるほど、枝の張りも大きい。炭や火薬の原料とし だいけいぼくても使われ、枝まで貴重に扱われる。

ツツジ科
アフリカ西海岸
木理:精
比重:0.70
径:2.0m
top

14.アオダモ

コバノトネリコ/Ash () /Japanese manchuran
14アオダモ
<色>心材は淡褐白色、辺材は白色できわめて狭く、心辺材の区別は明瞭。

<木目>年輪の明瞭な環孔材。

<加工>世界で最も強靭、堅硬で、白く美しい材。切削・加工の難易は中位。 従曲性に富む ので、曲木に適する。耐朽保存性は中位。

<用途>生産量が非常に少ない。木の径自体が小さいため、家具材として一般に使うのは難しい。野球のバット材として珍重され、スキー板、楽器などにも使われている。

<その他>良材は北海道日高山系の国有林でまげき 採れる材のみといわれる。

モクセイ科。
日本/朝鮮半島
木理:やや精
比重:0.71
径0.6m
top

15.マカンバ

真樺/マカバ/ウダイカンバ/Japanese red birch

 辺材は白く、心材は淡紅褐色で、 心辺材の差がはっきりしている。昔は床柱などで その色のコントラストを楽しむ部分があった。

<木目>年輪の不明瞭な散孔材。

<加工>緻密な肌目に光沢があり、硬くて強い。加工性、着色性がよく、狂いも少ない。 反らないし、粘りがある。保存性が高 く、虫食いがない。

<用途>欠点の少ない美しい材なので、高級家具や内装材として広く使用されている。

<その他>近年、良材が非常に少なく、とくに心材の赤身は稀少性の高い材になっている。

カバノキ科
日本
木理:精
比重:0.67
径:1.0m
top

16.ヒノキ

檜/ホンヒ (本檜)/Japanese cypress
16ヒノキ

<色>心材は淡黄褐〜淡紅色、辺材は淡黄白色。

<木目>心辺材の区別が不明瞭なこと が多い。

<加工>特有の芳香と光沢がある。やや軽軟で加工性がよい。割裂、乾燥ともに容易。伐採後200年くらいまで、強度が上昇する。保存性が高く、とくに心材は耐朽性 に優れる。

<用途>水にも強く、風呂桶材として賞用される。

<その他>針葉樹のなかで第一級の良材。世界的に優秀な材だけに用途は広範だが、国産の優良な材は少なくなってきている。近年はタイワンヒノキ、ベ イヒなどの外国産のヒノキが大量に輸入されている。

ヒノキ科
日本
木理:精
比重:0.45
径:1.0m
top

17.アカマツ

赤松/Japanese red pine 

<色>心材は黄を帯びた赤褐色、 辺材は淡黄白色。 樹脂分が多いので、手入れをよくすると飴色になる。

<木目>心辺材の区 別はやや不明瞭。大きい生節が多く、やにつぼもあらわれる。

<加工>重硬で、加工性は中位。心材は水中では保存性がある。

<用途>建築材としては強度を必要とする箇所に使われ とこばしら る。 また、 節のない美しい材は装飾材として珍重されており、床柱などにも使われている。

<その他>常緑大高木で、山岳地帯に育つ木といわれるが、東北地方では海岸線に沿って生育している。

マツ科
日本
木理:粗
比重:0.48
径1.0m
top

18.モッコク

木斛/アカミノキ/ポッポコス/Ternstroemia

18モッコク

<色>心辺 材の区別なく、暗褐色の材もあるが一般に美しい紅色。濃褐色な色 合いが経年変化により赤褐色になり磨くと光沢を増す。

<加工>硬く、 強くて粘りがあり、切削・加工は容易ではないが、旋作にはよ い。狂いを生じやすいので、乾 燥を十分に行う必要がある。耐朽・保存性は高く、ことにシロ アリに対して強い。

<用途>床柱・ 家具・木象嵌などに使用される。

ツバキ科
日本/台湾/中国/インド
木理:精
比重:0.80
径0.8m
top

19.アカガシ

赤樫/アカメガシ/Oak ()/Ring-cupped oak

<色>心材は淡紅褐色~紅褐色、 辺材は紅色を帯びた淡い黄褐色。

<木目>放射孔材。心辺材の区別はやや不明瞭。年輪もやや不明瞭で、不規則な波状を呈する。

<加工>弾力性があり、硬くて強い。耐朽・保存性は中位だが、水湿に強い。 加工、乾燥は困難。狂いは少ない。赤身の重厚な味は、他の材には見られない。

<用途>器具、とくに鉋(かんな)の台や鑿(のみ)などの道具の柄に最高といわれる。三味線の棹(さお)などにも使われる。 

ブナ科
日本/台湾
木理:粗
比重:0.87
径0.7m
top

20.チーク

タイチーク/Teak

 <色>心材は淡褐色〜黄褐色〜褐色。ときに黒色の縞をもつもの(縞チーク)がある。 辺材はほぼ白色。光沢があって美しく、独特の芳香がある。

<木目>環孔材的な散孔材。木目はローズウッドのような華やかさはないが、飽きのこない、しっかりとした主張がある。

<加工>硬い割には加工が容易で、サンダーもかけやすい。弾力があるので曲げに強い。十分に乾燥したものは狂いが少なく、虫にも強い。銘木中の銘木である。

クマツヅラ科
タイ/ミャンマー/インドネシア
木理:やや粗
比重:0.68
径:2.0m
top

21.セン

センノキ/栓/ハリギリ (針桐) Castor Aralia

<色>辺材は淡黄色、心材は淡灰褐色。

<木目>環孔材。心辺材の境界はやや不明瞭。木目がはっきりしていて、肌目は粗いが美しく、面白い杢をあらわすものもある。

<加工>比重のわりに強い。切削・加工は容易。狂いやすいので、十分な乾燥が必要。耐朽性・保存性は高くない。

<用途>ケヤキによく似ているので、その代用として家具、器具に使用される。 タモなどより粘りが少ないので、椅子などには注意が必要。

<その他>落葉高木で、高さ25mほどになる。とくに北海道には多く生育し、良材が生産される。

ウコギ科
日本/朝鮮/中国
木理:やや粗
比重:0.52
径1.0m
top

22.ゼブラウッド

ゼブラノ/Zebrawood/Zebrano

<色>心材は淡褐色~暗褐色で、黒~褐色の不規則な縦縞が縦断材面にあらわれて、好ましい装飾効果を発揮する。

<木目>年輪が不明瞭な散孔材。辺材は灰色で心辺材の区別は明瞭。緻密ではあるが肌目はやや粗く、木理はやや交錯する。

<加工>乾燥は難しいので、ゆっくりと時間をかける必要がある。とくに板目面は狂いやすく、小割が入りやすい。非 常に重硬な良材で、仕上げ面に光沢があって美しい。

<その他>落葉高木で、 高さ30mほどになる。

マメ科
ブラジル/赤道アフリカ
木理:粗
比重:0.80
径1.5m
top

23.アサダ

アカダ/Hop hornbeam (属)

 <色>心材は紅褐色、辺材は褐白色。心材は年月を重ねるごとに美しく、 光沢が増す。

<木目>散孔材。心辺材の区別は明瞭。年輪はやや不明瞭。

<加工>肌目の 緻密な良材であるが、ねじれが往々にしてあらわれる。加工、 人工乾燥はやや困難。表面仕上げは良好で、磨くと光沢が出る。

<用途>強度はマカンバ以上であり、工具の柄やフローリング、木管などに使われる。とくにフローリングには最も優秀な材として賞用される。

カバノキ科
日本/中国/朝鮮半島
木理:精
比重:0.73
径0.6m
top

24.ブナ

橅/椈/山毛欅/シロブナ/ソバノキ/ブナノキ/Beech ()

<色>柾目面に赤みがかった特有の斑点がある。心材と辺材の区 別が不明瞭で、全体に白か淡黄白色。 心材にあたる中心部分がほんのり褐色になるが、これは偽心材と呼ばれる。このために材の表情が色むらになり、揃えにく い。

<木目>年輪の不明瞭な散孔材。

<加工>材質は硬くて、粘りがあり、弾力性に富む。曲げやすく、薄くして使え、接着 がしやすい。乾燥しにくく、かびやしみが入りやすい。乾燥が十分でないと、ねじ れて狂いが生じやすい。

<用途>広範の用途をもっているが、なかでも曲木家具に適する。

ヒノキ科
日本/ヨーロッパ/北米
木理:やや精
比重:0.65
径:1.5m
top

25.ナラ

ミズナラ/水楢/Oak ()

 <色>心材はくすんだ褐色、辺材は灰白色で、心辺材の色の区別がはっきりし ている。柾目面には帯状に虎斑杢があらわれる材がある。

<木目>年輪の明瞭 な環孔材。

<加工>軟らかく、刃物の通りがよく加工は容易。着色、塗料のくいつきもよい。辺材には、ヒラタキクイムシがついている場合が多いので、この部分は使わないようにする。

<その他>ミズナラにまざってコナラが出荷されることがあるが、コナラは硬くて加工性が悪いので注意が必要。

ブナ科
日本/中国/朝鮮半島
木理:粗
比重:0.88
径1.5m
top

26.ローズウッド

インドローズ/Indian rosewood

<色>心辺材の区別が明瞭で、心材は褐色・金褐色・赤褐色。なかにはブラジリアンローズに似た赤紫色のきれいなものがある。緻密で光沢がある。

<木目>環孔材的な散孔材。

<加工>加工性はよい。乾燥は困難。仕上りはよく、耐朽性も高い。

<その他>稀少になったブラジリアンローズの代替として使われてきたが、最近は量が少なくなってきている。昔は太いもので高さ30m、直径1.8mぐらいのものもあっ たそうだが、今は直径60cm以下が普通。  

マメ科
インド
木理:精
比重:0.85
径:0.9m
top

27.ホンシタン

本紫檀/バユン/Indian rosewood

<色>心材は均一ではなく濃色で、赤褐 色・濃紫色・黒色などの縞模様があり、赤みを帯びた木肌には甘い華麗さがある。

<木目>ロー ズウッドより導管が細い。

<加工>強靱、堅硬だが、硬いわりに刃物の通りがよく、加工が容易。乾燥は困難。耐朽性があり、狂わない。

<その他>肌目はやや 粗だが、実際にそれを見る人に細かく清楚な印象を与える。唐木として珍重される。厳密にはタイ産のものをシタンと呼ぶ。

マメ科
タイ/ラオス/ベトナム
木理:精
比重:0.95
径:0.8m
top

28.シオジ

塩地/ショジ/Fraxinus platypoda/Ash (属)

<色>心材は淡黄褐色で、ヤチダモより明るい淡色。

<木目>年輪の明瞭な環孔材。木目が細かく詰んでいて美しく、ときに美しい杢が出る。木はヤチダモと同じく、まっすぐで枝下が長く、木口は正円 に近いので効率がよい。

<加工>軽くて加工が容易。狂いが少なく、乾燥も容易。

<用途>脚物には強度に注意。日本的な優しく柔らかい雰囲気がある材で、家具材のほか床まわり、壁材など内装材や建具にも使われる。

<その他>良質有用な材で、量が少なく稀少価値がある。群馬県を北限に太平洋側だけに分布している。

モクセイ科
日本
木理:精
比重:0.53
径:1.0m
top

29.カリン

花梨/花櫚/オオミノカリン/インドシタン/Burma padouk

<色>辺材は淡灰黄色〜褐色を帯びているが狭い。心材は紅褐色〜赤褐色・黄褐色まで材色の変化が大きい。

<木目>環孔材的ではあるが年輪は明瞭で、縦断面では濃淡な縞をなし、ときには美しい瘤杢(こぶもく)が出る。

<加工>木目が明瞭なことが良い材の条件。比重は0.40~0.90で、材によって倍くらい重さが違う。乾燥が容易で、狂いも少なく、割れにくい。塗装、接着性ともによい。木理が交錯しているので逆目が立ちやすい。両逆目のものもあるが、よく削ればかえって美しい波状杢となる。

<その他>バラ科のカリンとは別種。

マメ科
タイ/ミャンマー
木理:やや粗
比重:0.80
径:1.3m
top

30.タモ

ヤチダモ/Japanese ash/Manchurian ash

<色>心材は淡黄褐色、辺材は淡黄白色。

<木目>年輪のは っきりした環孔材。 

<木目>木理は大体まっすぐだが、美しい杢が出ることもあり、これをタモモクと呼ぶ 。 年輪の幅により重さ、硬さ、強さがかなり違う。年輪の幅が狭く密なものは、糠目(ぬかめ)と呼び、軽くて軟らかい。粗いものは、粗目と呼 び、重くて硬く、強い。

<用途>木目にむらがなく、粘りもある。着色性もよい。良質有用な材で、建築、家具、器具、運動具 楽器など広範な用途がある。辺材は虫がつきやすく軟らかいので家具には使わない。

モクセイ科
日本/中国
木理:やや粗
比重:0.55
径:1.0m
top

31.トチ

トチノキ/栃/橡/クリ トチ/Japanese horse chestnut

<色>心材の区別は不明瞭で、ともに紅色を帯びた黄白色〜淡黄褐色。

<木目>有用な散孔材。年輪は不明瞭。肌目は緻密、木理はときに不規則に走り、波状杢・縮み杢・斑杢(ふもく)などがあらわれることがある。絹糸光沢があり、リップルマークもあらわれて美しい。

<加工>概して弱く軟らかい材で、切削・加工は容易。乾燥も容易だが、狂いが生じやすい。耐朽・保存性はきわめて低い。

<その他>アオトチの杢はとくに珍重される。落葉高木で、高さ25mほどになる。

トチノキ科
日本
木理:精
比重:0.52
径:2.0m
top

32.ヒッコリー

Shagbark hickory

<色>心材は淡褐色〜褐色〜赤褐色、辺材はほとんど白色に近い。

<木目>きわめて優良な環孔材。年輪は明瞭。

<加工>かなり重く、収縮もやや大きい。強くて粘りがあり、とくに曲げ、お よび衝撃に対する抵抗が大きく、釘の保持力も大きい。加工に対しては素直であり、仕上 りも良好。接着力がわずかに劣っている。虫くぎがつきやすく、耐朽性もあまり高くない。

クルミ科
北米
木理:精
比重:0.70
径1.0m
top

33.アサメラ

アフロルモシア/Assamela/Afrormosia

<色>辺材は心材より色が薄く、心材は黄褐色でより暗い線が特徴 的。年月が経つと黒褐色に変色しやすい。

<木目>散孔材。肌目は緻密で通直、交錯木理をなす。

<加工>かなり重くて硬い。乾燥には長期間を要するが、変形は少なく安定した材。曲げ衝 撃にも強いが、交錯木理で硬いために鉋削は難しい。

<用途>保存性もよく、光沢もあり、幅広い用途 に向く。チーク、ケヤキの代用として家具内装材に用いられる が、色調がそろいにくい。

<その他>樹高40mに達する細長い形をした大木で、枝下20 mくらいのものも多い。

マメ科
ガーナ/カメルーン/コンゴ
木理:やや粗
比重:0.75
径:1.2m
top

34.ヤマザクラ

山桜/カバヌキ/Cherry/Plum(属)

<色>心材は赤褐色、辺材は淡黄褐色で、心材の境界は明瞭。 しばしば不明瞭な緑色の条があらわれた り材全体が緑色を帯びることがある。

<木目>散孔材。年輪はやや不明瞭。

<加工>肌目は緻密、均質で、カバ類の材と性質も見た目も非常によく似ている。材の気乾比重はやや重硬だが、重さのわりには材質が素直で、反りも少なく、狂わない。粘りがあって強い。水に 強く、虫がつかず、保存性は高い。磨くだけで光沢が出る。

<その他>色合い、目通りのよい ヤマザクラは、一般的に人々に好まれる材のひとつである。

バラ科
日本
木理:精
比重:0.60
径:1.0m
top

35.米マツ

ベイマツ/米松/ダグラスファー/オレゴンパイン/Douglas fir/Oregon pine

<色>心材は黄色を帯びた淡褐色、辺材は白から黄、淡桃色までさまざま。

<木目>心辺材の区別は明瞭。堅硬で長大材が得られるが、年輪の幅が粗いものから密なものまであり、材にばらつきがある。年輪の密な材はピーラと呼ばれて歓迎される。

<加工>耐朽・保存性は高い。木目が強くてき れいだが、時間が経つと黒ずんで汚くなる。

<その他>樹高100m、直径2.5m、まれに4mにも達する直幹性大高木。日本では病害のため成林は困難とされる。

マツ科
北米
木理:粗
比重:0.55
径:2.5m
top/a>

36.イスノキ

柞/蚊母樹/ユスノキ/ヒョンノキ/ユシノキ/Distylizon(属)

<色>心材は紅褐色〜紫褐色、ときに縞状に色調の濃淡がある。

<木目>年輪が不明瞭な散孔材。心辺材の境界はやや不明瞭。

<加工>強度の点でも、国産材中最も強い材に属する。耐朽保存性は高いが、重硬なだけに切削加工、割裂、乾燥はともに困難。

<用途>フローリングには最適。ツゲ、シタン、コクタンの模擬材にもなる。

<その他>日本産で最も重い材のひとつ。良材は国有林、神社仏閣などの限られた場所にしかない。

マンサク科
日本/朝鮮半島/中国
木理:精
比重:0.90-1.00
径:1.0m
top

37.ナーラ

Narra

<色>心材は鮮赤色〜紫色を帯びた しま だいだい 赤色、ときに橙色を帯びた黄褐色。縞模様が あらわれることもある。 辺材は黄白色。

<木目>環孔材。心材と辺材の区別は明瞭。

<加工>加工性がよく、割裂に強い。タイ産のカリンの代用として珍重され、 高級家具、ドア、内装材、装飾材などに使われる。

<その他>セーシェル諸島からインドネシアにかけてのインド洋の諸島沿岸に生育する。伐採しすぎたために、現在、日本には輸出が禁止されている。

マメ科
東南アジア
木理:やや粗
比重:0.60
径:0.7m
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