夏頃の話だが、ソール・ライターの写真展に行った。名前は知っているが、写真自体はほとんど知らない写真家だった。
たくさんん写真の中で1950ー60年代のニューヨークの街角のものが楽しかった。50−60年代というと映像や写真は白黒のことが多い。そして白黒の写真に写る人ちは白黒の世界を生きていて、白黒の景色を見ていると思い込んでしまう。しかしカラーの写真を見ると現在と地続き感があり、写真の中の人たちも私たちと同じようにカラーの世界で暮らしていたんだなと当たり前のことに気づく。
ポジフィルムをスライド映写機で映しているコーナーではさらに地続き感は増す。展示会の外に出たら見えてきそうリアルさだ。ポジフィルムの明るく鮮明な再現性がそう感じさせる。
投影用にマウントしたポジフィルムが雑然と置かれたコーナーがあった。その姿を見て、1990年代に行ったイタリアで撮った写真を思い出した。その時人生初のポジフィルムに挑戦した。帰国した後は現像に出した際にマウントしてもらった。
あの時のポジフィルムを投影して見てみたいと思った。しかし、スライド映写機は家にない。すぐにネットを検索し、メルカリで3,000円を発見し、購入。
映写機が届いたので、ポジフィルムを探しに行く。しかし、ポジフィルムの入った箱が物置の一番奥にあることが判明。大規模なモノの出し入れが発生すると尻込みしそのまま師走に至る。
夏の終わりには届いてた映写機は未だ登場することなく、ケースのまま出窓に置いてある。いつになったら見られるだろうか。